行動経済学:休暇後、本当に幸福になれるのか?最新研究が示す驚きの結果(引用論文のリンクあります)

行動経済学の本を読んでいたりすると、要約された形で内容が書かれており、引用元がどう書いているのか気になることがあります(本の内容を信用していないわけではないですが、人によってとらえ方が変わるので、1次情報を見たいと思ったからです)。

今回は休暇を計画することと休暇後による幸福度の変化に関して書かれた論文の内容を見てみます。
下記本のP24にある内容の元論文です。

引用元: Nawijn, J., Marchand, M. A., Veenhoven, R., & Vingerhoets, A. J. (2010). Vacationers Happier, but Most not Happier After a Holiday. Applied Research Quality Life, 5, 35-47. DOI: 10.1007/s11482-009-9091-9.
Vacationers Happier, but Most not Happier After a Holiday | Applied Research in Quality of Life (springer.com)
※オープンアクセスなので誰でも読めます。

論文要約

休暇は、日々のストレスから解放され、心身をリフレッシュするための貴重な時間です。しかし、休暇が終わった後も、その効果が持続するのか疑問に思ったことはありませんか?この研究によると、休暇は一時的な幸福感をもたらすものの、ほとんどの人々は休暇後に劇的な幸福の向上を感じていないことが分かりました​。

休暇前はみんな幸せ?

オランダの1,530人を対象にしたこの研究では、休暇に出かける人々は、休暇前にすでに高い幸福感を持っていることが明らかになりました。これには、休暇への期待や準備が影響していると考えられます​。しかし、注目すべきは、休暇から戻った後の幸福感に関する結果です。

休暇後の幸福感はどうなる?

驚くことに、休暇者と休暇に行かない人々の間で、休暇後の幸福感には大きな差が見られませんでした。実際、休暇後に幸福感が持続するのは「非常にリラックスした休暇」を過ごした場合のみであり、それ以外の場合は休暇前と同じレベルの幸福感に戻ってしまうのです​。

ストレスの少ない休暇がカギ

この研究はまた、休暇中のストレスが休暇後の幸福感に与える影響についても言及しています。ストレスの少ない休暇は、帰宅後の幸福感を向上させる可能性があるため、休暇を計画する際には、できるだけリラックスできる環境を選ぶことが重要です​。

具体的な行動計画

この研究結果をもとに、次回の休暇をより充実させるための具体的な行動計画を立ててみましょう。

  1. 短くても頻繁に休暇を取る
    長期間の休暇よりも、複数の短い休暇を年間を通じて取る方が、持続的な幸福感を得られる可能性が高いです。短い休暇を計画し、リフレッシュする機会を増やしましょう。
  2. リラックスできる休暇を選ぶ
    非常にリラックスできる休暇が、休暇後の幸福感を最大化します。スパや温泉リゾート、自然の中で過ごす休暇など、ストレスが少なくリラックスできる場所を選んでみてください。
  3. 休暇中のストレスを最小限に抑える
    旅行先での計画を詰め込みすぎないことが大切です。また、長距離のフライトや過密なスケジュールは避け、ゆったりとした日程を組むようにしましょう。
  4. 期待を高める
    休暇前に楽しみを感じることが、幸福感を高める重要な要因です。休暇の準備を楽しみながら、期待を高めることで、より満足度の高い休暇を過ごすことができるでしょう。

まとめ

休暇は確かに私たちの幸福感を一時的に高めるものですが、その効果を長続きさせるためには、休暇中の過ごし方に注意が必要です。特に、非常にリラックスした休暇を計画することで、帰宅後もその効果を持続させることができるかもしれません。この研究結果を参考に、次回の休暇計画を立ててみてはいかがでしょうか?

読んでいただきありがとうございました。この記事が、あなたの次の休暇をより充実したものにするための一助となれば幸いです。

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